兄妹愛

はじまりは凄く些細なことだった。

 

普段の何気ない会話から、テーブルに置いてるチャームの飾りが取れていて、きちんと間に挟んであった。

「コレは誰がやったの?」と聞いたら、2人とも違う。との返事。

 

そんな訳ない。って。

自然に取れると思うけど、わざわざ無くならない様に挟んであるのだから…

おかしくない?って言う話をした。

 

でも2人とも「私じゃない」「僕じゃない」と違うと主張している。

「じゃあ、オバケがやったの?」と私も面白く聞いてみたけど、どちともまだ違うと主張。

 

どちらかが嘘を付いていること、そして嘘を突き通そうとしていることに、私はどんどん怒りが込み上げて、爆発した。

 

「怒っている訳ではないのだから、いい加減どっちがやったかのか、はっきりさせなさい」

 

しばらく、お互いに違うと主張し続ける。

でも、怒る内容でもないことだし、いつもなら話は終わらせてしまうけど、今回は違う。

やった事はどうでも良いことだけに、「嘘を突き通そうとしている」ことが許せない。

どちらかが、きちんと白状するまで終わらないと伝えた。

 

すると兄がやったと言ってきた。

なぜ言わなかったか尋ねると、「もうこの話はいいじゃん、つまらないから終りにしたい」との申し出をしてきた。

 

嘘をついちゃいけないと言う話をもう一度して、隠しても庇ってもダメなんだよ。と言うことを教えた。

 

今度は「僕じゃない!」と言ったり、「僕がやった」と言ったりの兄…

結局、どっちなの?との問いかけに、

妹が号泣。

犯人は妹でした。

 

何で自分だと言ったのか聞いたところ、この話を終わらせたかったのと、妹が言えないと思って庇ってあげた。との話に、少し感激してこの話は幕を下ろした。